今日はとにかくウロウロしました。

寒風すさぶ綾小路通りを右往左往。

ずっと気になっていたコーヒースタンド「ポロ」。

細長いお店に入ると着物の奥様がひとりオムライスを頬張っていらっしゃる。

飛び交う京ことば。

ぼくは黙って日記をめくるだけ。

ふと、背筋を伸ばしてみると後ろの壁に後頭部がつく。

カウンター席の幅は半間にも満たない。

後ろの壁がそのまま椅子の背もたれになるような、そんな空間。

さっと入ってさっと去る。

それがここでの作法。

まさに一服の極致。

24時間制の暮らしの中でほんの5分を喫茶に費やす。

その5分の持つ意味と意義。

細長い店を出て、さらに西。

真っ赤なテントが現れる。

「喫茶 JUN」。

「喫茶 JUN」とは書いてあるものの、目の前にあるのは暗いトンネルだけ。

二十三年来のちんけな想像力がこのトンネルの先に喫茶店が存在することは想像できるのだけれど、それにしてもどうでしょうこの重力の差は。

一方、都市裏のタクシー行き交う喧噪通り、他方、トンネルの先に見える小春日和を独り占めしたような一点の光。

おそらく実際にこの景色の前に立ってみなければ分からないかと思いますが、本当にあるのです。

真っ赤なテントに仕切られた真っ向から対立したふたつの磁場が。

トンネルを抜けると、喫茶店が現れる。

想像してはいたのだけれど、トンネルをくぐっているうちに忘れてしまっていました。

でも現れた喫茶店は想像よりもはるかに異空間にありました。

ほとんど無意識に扉を開けて、奥の窓際の席に腰掛ける。

そしてこれまたほとんど条件反射でホットコーヒーを頼んでしまう。

つい数分前に”ポロ”でコーヒーを飲んだというのに。

半ば仕方なく新聞を広げていると、子守唄のようにかすかなBGMとともに石油ストーブの燃える匂いが漂ってくる。

ああ冬の匂い。

幼少期の冬のあたたかな記憶はストーブの匂いとおもに記憶されていることに今更ながら気付く。

しばし感性を研ぎすませていると、いつの間にかテーブルの上にはコーヒー。

湯気が立っている。

冬の一日っていつもこんな感じだよなーとか思う。

今年もよろしくお願い致します。

そのうち今日のレポートをお届け致します。

では、よい今宵もお茶を。

平成21年 年頭挨拶より

いわたにあつし

「よっこらしょ。」とカウンター席におじいさんが腰掛けるとすぐにホットコーヒーが出てくる。

「喫茶みやま」の風景。

丸っこいカップから立ちのぼる湯気を挟んでマスタァと老人が巷で話題の”裁判員制度”についてあれこれ。

音楽はアメリカのポップス。

壁には大きなメニューボード。

コーヒーからエビコロ弁当まで記載漏れなし。

本棚にはたくさんの漫画。

ゴルゴ13、美味しんぼ、はじめの一歩・・・。

うーん、喫茶店。

店の前の二条通りは忙しそうに厚着した人たちが通り過ぎていきます。

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喫茶みやま

京都市中京区東洞院二条西入る(地図

地下鉄烏丸線烏丸御池駅、丸太町駅より徒歩5分

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京都ローカル喫茶店案内。人情深き京都の街角昭和レトロガイド。

強烈な町です。

南方駅に阪急電車が滑り込んで行く時、すでに眼前に広がっているのはセクシー×××だとかナースがどうとか、アジアン風がなんだとかそんな看板。

いや、いいです。

逃げも隠れもせずそこにどかんと待ち構えているのが清々しい

そして、電車で単行本を読んでいたスーツの人やギャハギャハお喋りしてた高校生なんかが駅から放出されて、何事もなくそれらの看板の前を通り過ぎていく姿がさらにしみじみします。

ぼくはこうゆう空気感の漂う町が大好物でありまして、ぼくが軟弱陸上部員だった中学生時分から内心おっかなびっくり澄まし顔で神戸のモトコーだとか港通りを歩くことを生き甲斐としておりました。

『私立探偵濱マイク』に憧れて初めて横浜の黄金町に行ったときなんて、周りのおじさんとは別の方向で鼻息をフンフン鳴らして大変でした。

黄金町においてはある意味ぼくの方が変質者です。

まあとにかく、そうゆう町に立ち並ぶ店はなぜだかぜんぶ常連さん専用に見えて、ただのうどん屋ですら「ちょっとやそっとじゃ入れない」オーラぷんぷんでこちらを威嚇してくる。

そこがまた好奇心を刺激して、もしもみんなの仲間に入れてもらえて「素うどんね、おばちゃん」なんて馴れ馴れしく言えたらちょっとオレってかっこいいんじゃね、みたいな変な妄想が膨らんできて、ああ時間にAMもPMもねえ、今すぐ行きてぇ!みたいな末期症状に陥るのです。

それでこれは、最初の常連さんの疑惑の視線を耐えたらあとは天国、というまさにローカル喫茶店の醍醐味と一致するわけです。

で、そうゆう町である?南方にも何かあるだろうと歩いていると、もちろんありました「喫茶・グリル 千松」。

看板が渋いです。

台形正立方体

中に入るといい感じのマスターがいい感じに「なんにします?」って聞いてくれます。

カウンターには「うー」とか「はあ」とか言いながら定食を頬張る中年男性がひとり。

ぼくは「定食」と言って、あたりを見回す。

雑然としているような整然としているような不思議な空間。

漫画がたくさん。

カウンターの上に並んでいるのはビニールに大事そうに入っているので、「売りもんですか?」と聞くと、

「いいや、時々入れ替えるんです。」とのこと。

なんで、本棚に入れないんだろう。

謎は深まる。

ふと奥の席を見るとテーブルに将棋セット

ああ、いい喫茶店だなぁとそれを見た瞬間、思う。

だって使い込まれてますもの。

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喫茶・グリル 千松

大阪市淀川区西中島1丁目14(地図

阪急南方駅、地下鉄御堂筋線西中島南方徒歩3分

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