同志社大学に夜の帳が下りる頃、校門から解き放れたはらぺこ学生達が吸い込まれていくのは、天下一品!

今日の疲れを癒し、明日の活力を蓄えるため、天下一品のこってり大盛、学割で!と注文するわけです。

が、その天下一品の奥に実は一軒のスナック喫茶店があるのはご存知でしょうか?

怪しく今出川通りに浮かび上がる「五番街」の文字。

腹ペコで吸い込まれるのとは別の意味で吸い込まれそうな雰囲気が渦巻いています。

夕闇時、扉を開けると、いつしか火曜サスペンス劇場で見た、あの日の郷愁のスナック。

真っ赤な絨毯、カラオケスペース、カウンター、と3人のママ。

常連のスーツの方がおもむろにカウンターに腰掛けると、「今日はビールから始める?」とママ。

2階は雀荘。

この方も同志社大学で青春を過ごしたOBさんなのでしょうか。

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五番街
京都市上京区烏丸今出川西入る南側(天下一品の奥)
地図

同志社新町キャンパスの裏に一軒の喫茶店がひっそりとあります。

チェリオの文字が圧倒的な存在感を示す看板に書かれたその店の名前は「樹石」。

みどりの窓口のようなキュートなひさしがまるで大樹に繁る葉のようでもあり、外壁の白いタイルが白亜の白大理石のようでもあり、なるほど「樹石」と納得できるようなできないような外観はまさしくローカル喫茶店。

就活スーツに身を固めたぼくは、まるで営業マンの小休止のごとく手慣れた挨拶で入店。

「こんちはー」

もちろん初入店。
つまり「樹石」はそれだけ親しみのわく雰囲気を醸し出しているのです。

というわけでノリノリで入ったお店はなんともぬけの殻。
あれ、まさか留守?と思ったけれど、しばらくすると「ごめんね〜、今、上に上がったとこやったわぁ」と階段から小さなお母さんがひょっこり現れてひと安心。

気さくなお母さんで、ぼくらはペチャクチャ世間話しながら、お母さんはぼくの遅めのモーニングをテキパキつくり、ぼくは店内をしみじみ見回す。

やかんの乗ったストーブ、蔦がからまった窓、そして何より存在感があるのがカラオケマシン。

「最近はあんまり歌わないのよ」と言いつつ、テープ式の旧いナショナルのマシンと新しいテレビカラオケの二台が設置されていて、お母さんの自慢の唄声が聞こえてくるようです。

ふと、窓の外を見ると、本格的な機材をかかえたカメラマンが隣の駄菓子屋を撮影していました。
「こっちの喫茶店もいい味出してるになぁ」と思いながらぼくは最後のコーヒーを飲み干し、「いってきます」とまた常連のように「樹石」を後にしました。

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樹石
上京区油小路上立売(地図

丸太町から御前通りを北上していると一軒のレンガ造りの喫茶店が現れます。

御前々からそのガッチリとした石造りの外観がぼくの心をガッチリとつかんで気になっていたのですが、なにかとご縁がなく行きそびれていました。

今日は休みなので、雨にもかかわらず、日曜日だってのにかかわらず(たいていローカル喫茶店は日曜がお休み)、喫茶店散歩に出掛けました。
しかし、やっぱりどこもかしこも閉まっていて、まぁ今日はおとなしく家に帰ろうか、とブラブラと帰っていたら突然黒木を発見。

すっかりここにあったことを忘れていました。

しかもドアを見れば「営業中」の文字が。

これは何かの暗示に違いありません。
ぼくは愛車のべスパをキュイっととめて黒木さんの扉を開けました。

中は思ったより広いかったのですが、それよりもなによりも暗い。
なかなかディープな暗さですよ、これは。

で、なんでこんな暗いんだろうと思ったら、壁がゴツゴツした岩みたいな素材で出来ているのです。
なんだかカタコンベでお茶しているみたいです。

しかし、居れば居るほど怪しげな雰囲気に立ち眩みがしてくるお店です。
うーむ、するめ的喫茶店。

唯一カウンター脇のテレビが自分が一応現実世界にいることを認識させてくれます。

しかしながらこの喫茶店で見る「ナイナイサイズ!」はなかなか奇妙な心地がします。

ママさんは、ほんとに「ママさん」って感じでとてもいい方です。

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喫茶 黒木
上京区御前下立売上る仲之町(地図